Vol.5「ヴィレム・ボーツさんのお話を聞こう~道玄坂ナイトウォーキングから見えてきたもの~」

(第4回NFSJカフェ  2016年3月21日 武蔵野プレイスにて実施)

在東京南アフリカ大使館の外交官だったヴィレム・ボーツさんは、2015年2月から、週末ごとに道玄坂の歓楽街でのプレアウォーキング(祈りながら歩くこと)を始めた。闇の中にある日本の性産業に対して1年間祈り続けた結果、何を学んだかを、私たちに教えてくれた。

ヴィレムさんは主に性的搾取の被害者である女性たちのために祈り、また商売としてこれに関わる男性たち、客としてその産業を支える人たちのためにも祈った。日中はもちろん、夜中や明け方まで祈り続け、売春婦を含む多くの人々に出会ったという。そして彼らの状況を理解し、キリストにある希望を分かち合おうとした。二度目に再会した女性から、「あなたのことも、あなたの神様のことも覚えてるよ」と言われたこともあったそうだ。

1年以上かけ、ラブホテル、下着・性玩具ショップ、クラブの前で立ち止まって、祈りを捧げた。なかにはAV撮影が強制的に行われていると思われる店もあり、時にはそこから出てきた女性が泣きくずれ、打ちひしがれた様子だったこともあった。彼はこれらの話を教会の人身取引対策ミニストリー(*教会の中の活動グループ)に伝えた。やがて、日曜日午後の比較的静かな時間帯に、ミニストリーメンバーを連れて祈りながらそのルートを歩くリーダーになった。彼の祈りが聞かれ、性産業の事業所がいくつか閉鎖されたことがあったという。

この道玄坂を巡るルートでところどころ見られる悪のシンボルに対して祈り、また奴隷の鎖を断ち切るキリストによって被害者が解放されるようにと祈る彼の姿勢に、私はとても感動した。

ヴィレムさんは、実に91週間の連続ウォーキングを終え、南アフリカに帰国した。帰国後に自費出版した書籍『The Miracle is to Walk on the Earth(奇跡は地の上を歩くこと)』」の中で、その体験と発見をいくつか紹介している。ちなみに電子書籍版は以下のサイトより8ドルでダウンロード可能。収益は日本の宣教団体に寄付される。https://payhip.com/b/zB2w?fbclid=IwAR1KkmgFRT3qUv2Ukv7mPkW50ieEvpyjsfSrR1jaokSNcd5LrPZ4dUjFEsI

(神門バニー)