Vol.6 「現代の奴隷制~隠れた問題をどう測るか~」

(第26回NFSJカフェ  2022年1月19日 オンラインにて実施)

今なお世界にはびこる現代奴隷という問題に企業などの組織が戦い対処していくためには、国ごとの、また世界の最新データと情報を得た上で、対策を立てていくことが不可欠だ。けれども、現代奴隷制はその隠れた性質上、信頼できるデータの収集が非常に難しい。

この課題に応えるため、ウォークフリーは、社会調査の手法と先進技術を組み合わせ、「世界奴隷指標(GSI)」の仕組みを開発した。GSIは産業や国を超えて存在する現代の奴隷制を詳細に把握し、各国政府がどのような対策を行っているかを分析するものだ。

2022年1月19日、第26回NFSJカフェにおいて、ウォークフリーのブリタニー・クァイさんとエリー・ウィリアムズさんがGSIについて発表してくれた。お二人の発表によって、参加者は、現代奴隷制が今世界中でいかに蔓延しているかを理解することができた。

ウォークフリーによれば、現代奴隷制の中に囚われている人は世界で約4,030万人にのぼるという。もちろんこの数字は推定値に過ぎない。奴隷制に囚われている人の多くは隠されており、またその状況が危険であることから、実態は未だにほとんどが知られていないのだ。

ウォークフリーのような組織がこのような調査を行うことに尽力し、反奴隷制の取組みに役立つツールやデータを作成していることを知り、大いに勇気づけられる思いだった。なお、前回のGSIは2018年に発表され、2022年の指数は2022年中に発表される予定。
(ランドララ “ダラ”・ラコトマララ)

・ゲストのお二人のプロフィールなど詳しくはこちら
http://notforsalejapan.org/news/202112/896

・世界奴隷推計(Global Slavery Index)そのほか、ウォークフリーによって書かれた最新のレポートなどはこちら(英語) https://www.globalslaveryindex.org

・GSIのうち日本に関する国別データおよび国別研究(英語)はこちら
https://www.globalslaveryindex.org/2018/data/country-data/japan/
https://www.globalslaveryindex.org/2018/findings/country-studies/japan/

・上記日本に関する国別データ(一部)と国別研究(全文)のNFSJによる日本語試訳はこちら http://notforsalejapan.org/wp-content/uploads/2018/08/Global-Slavery-Index-2018-%E5%92%8C%E8%A8%B3-1.pdf