「無関心」とは?
それは、ずばり誰も幸せじゃないっていう心のことです。むしろ陰湿な薄暗がりの闇に蔓延る邪悪な心を積極的に許すくらいの「力」が存在していて、決して「無」なんかじゃない、例えば、いじめがあっても見ないふりしているような……、「無関心」とは、そういうNGな力学が生じている困った状態だとわたしは思っています。だからわたしは仕事でもどんなときでも、「自分にも他人にも関心が有ります!」という心を表現しています。それが、わたし自身を幸せにしていると確信しているからです。
特別な印刷機で華やいだ色彩に初挑戦
さて、このN F S J発行のブックレット『「人身取引」「現代奴隷」ってなんだろう?』の印刷の色がとても美しく仕上がっていて不思議に思われた方もたくさんいらっしゃると思います。
これは、印刷といったら常識のC M Y K(青赤黄黒_いわゆる絵の具の色のかけ合わせデータ)の印刷ではなく、R G B(赤緑青の光の三原色のデータ)から印刷する特別な印刷機を使用することで、今までの常識とはずいぶんと違った明るくて色彩豊かな仕上がりになっています。惠友印刷さんにこの特別な印刷機があることを教えてもらって、初めての挑戦を試みました。
「人身取引」「現代奴隷」、こんなテーマに当然無関心でいたい人でも、この華やいだ色のブックレットなら無視できないのではと期待を込めました。「現代奴隷」、「セクストーション」などの仕掛けられた罠の入り口は、日常のウェブサイトのまさにR G Bの華やいだ色彩との地続きにあるということとも整合性を持ちつつ独特な表現ができたかなと思います。
「人身取引」と聞いて自分には関係ないと言いきれる?
物流サプライチェーンの矢印で網羅された世界地図、人身取引の流通ルートはやすやすと重なるし、どんな労働条件下で取引された物資であるのかも混然としています。
わたしは「現代奴隷」という概念が特別で限定された場所にだけ存在するものとは思っていません。日々の自分の暮らしぶりとか、自分の仕事から得る報酬のそのマネーフローにも惨めさが混ざってはいないだろうか?人間関係、労使関係は健全か?そういうことに無関心でいたならどこに幸せがあるのでしょうか。
わたしたちが被害者にも加害者にもならないために、たった16ページのささやかなブックレットですが、N F S Jだからこそできた1冊だと自負しています。
(ナムーラミチヨ:NFSJスタッフ/ブックレット編集デザイン・イラスト)
*ブックレットは無償配布していますのでお気軽に japan@notforsalecampaign.orgまでお問合せください(まとまった部数の場合はご寄付をお願いします)。またNFSJのウェブサイトではデジタル版を公開しています。ぜひご活用ください。⇒ https://notforsalejapan.org/booklet
