(第17回NFSJカフェ 2019年6月13日 武蔵野プレイスにて開催)
ゲスト講師: 小川モンゴメリー花子さん、テシ・リッゾーリさん(上智大学生=当時)
この日のNFSJカフェは、ドキュメンタリー『Beyond the Yellow Line黄ら黄ら』の上映会を武蔵野プレイスに於いて開催。制作者の小川モンゴメリー花子さんとテシ・リッゾーリさんをお迎えして、上映後の質疑応答では、アメリカやイタリアでの性風俗、娼婦たちの様子も伝えてもらい、参加者の戸惑いや問題意識についての意見交換など、非常に有意義な時間を持つことができた。
上映作品は、歌舞伎町など性風俗界隈での取材インタビューで構成されている。留学生たちの問いかけに、誰も彼も屈託なく、正当性を説くように答えている。その様子には感心してしまったが、きっと、外国籍の若い女性たちの研究取材だからなのだろう。日本人どうしではこうはいかない。警戒心だとか羞恥心も邪魔して、適当に誤魔化すような答え方になるはずだ。自分の国の、そしてまた自分の恥ずかしい部分は誰でも知っていて、できればそこに触れてもらいたくないものだ。
上映後の参加者たちの意見交換では、「このような性風俗の実態を見せるだけの作品を、ノット・フォー・セール・ジャパンが取りあげるということは、つまり、これを是認しているということか?」という質問も出た。しかし、「こういった性風俗産業の問題で、最悪なのは無関心。無関心とは、否定でないばかりか、むしろ肯定していることにもなる」と、人身取引被害者の救出などに尽力している方の力のこもった意見もあって、今回のNFSJカフェでの上映会に、大いに意味を見出すことができた。
留学生たちの視点で捉えてこそ実現できた、日本の性風俗産業における人々の赤裸々な実態。これをまず見て知ることは、無関心の扉を開いて、問題を考えるための大きなステップになるはず。YouTubeで誰でも見ることができるので、ぜひ見て欲しい。
(ナムーラミチヨ)
『Beyond the Yellow Line黄ら黄ら』(全編)
https://www.youtube.com/watch?v=-q8TcvGXePo&t=1786s
・ゲストのお二人のプロフィール(当時)など詳しくはこちら
http://notforsalejapan.org/news/201905/538