Vol.9 「外国人入国者の現実~入国管理センター訪問を通して~」

(第21回NFSJカフェ 2020年8月6日オンラインにて実施)
ゲスト講師:
アレックス・イーズリーさん(東京バプテスト教会・入管施設ミニストリーのリーダー)、
トーマス・アッシュさん(ジャーナリスト、映画製作者、聖オルバン教会会員)

コロナ禍以前は、家族に仕送りをするための出稼ぎなど、さまざまな理由で多くの外国人が来日していた。労働力の高齢化が進む日本において、彼らはこの国の経済を支える貴重な存在だ。また、政治的その他の迫害から逃れてきた難民や亡命希望者もいる。この2つのグループの中には、日本各地の入国管理局収容施設に不当に収容され、時には非人道的な扱いに耐えている人たちもいる。

移住労働者と難民は人権侵害を受けやすく、人身取引とも密接な関係がある。私自身がファシリテイタ―を務めたこの回のNFSJカフェでは、アレックス・イーズリーさんとトーマス・アッシュさんを招き、二人が何年もかけて収容施設に通って被収容者の男性たちを訪問し、支援してきた体験を聞くことができた。

訪問者は一度に30分の面会が許されており、一日に最大5人の人に面会することもあるとのこと。(私も一度品川のセンターに行き、2人の女性を訪問したことがある)。被収容者一人一人が固有のストーリーを持っているので、まず耳を傾け、次回来るときに何を持っていけばいいかを尋ね、イエス・キリストの愛を示し、分かち合う。

拘束された理由、ひどい環境、孤独など、心が痛むような話も多い。不当な入管政策に翻弄されるこれらの男性たちを支援する二人の献身的な姿に、カフェの参加者は皆、感動していた。

トーマスが制作したドキュメンタリー映画「Ushiku」は、現在日本全国で上映されている。「茨城県牛久市にある入国管理センターに長期収容されている外国籍の人々に取材し、権力による人権蹂躙を詳らかにする。権力の暴走に警鐘を鳴らす告発映画。」(山形国際ドキュメンタリー映画祭2021)。

ぜひ予告編と記事を見てから、ご覧ください! https://www.ushikufilm.com/

9月9日より東京でも再上映されるとのこと。https://www.ushikufilm.com/theaters/

(神門バニー)

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