Vol.3「だれひとり取り残さない世界と多様な性のあり方~LGBTについて学ぼう~」

(第16回NFSJカフェ 2019年4月19日 武蔵野プレイスにて実施)

ゲスト講師:佐々木真美さん(NPO法人グッド・エイジング・エールズ インターン(当時))

LGBT当事者支援団体「グッド・エイジング・エールズ」で当時インターンをしていた佐々木真美さんを、NFSJカフェの講師にお呼びしたきっかけは、以前の回で講師を務めてくれた別の方と偶然再会した際に一緒におられ、紹介されたから。そんなふうに人との出会いが不思議に紡がれていくのがNFSJカフェの面白いところだ。

佐々木さんはLGBT当事者がどんな問題に直面しているのか、社会や私たちがどうしたら寄り添っていけるのか、基本的な知識を教えてくれた。生物学的性別、性的指向(好きになる性)、性自認(自分の性別をどう考えるか)の他に、第4の「表現する性」(社会にどう見せたいか)があることを、私はこのとき初めて認識した。そしてそれらの組み合わせは何十通りもあり、むしろグラデーションで明確に区別できるわけではない、ということも……。

日本は同性婚を認めず、残念なことに3年経った今も変わらない。だが企業によっては、実生活に必要なサービス(生命保険の受取人、携帯電話の家族割、銀行の住宅ローンなど)に同性パートナーシップを認める取組みが、行政に先んじて始まっていると知り、心強く思った。

一方で、学校・家庭・共同体が多様性を認めづらい日本社会では、当事者は自らの性自認や性的指向に悩み、いじめや差別や不利益を恐れてカミングアウトが難しい。マジョリティ側の人間が、無意識に傷つけていることもある。グッド・エイジング・エールズは、楽しいイベントや広報で問題を可視化し「アライ」を増やすことで、性的少数者も共に生きやすい社会の実現を目指している。

人身取引は弱い立場につけこむ犯罪であり、差別や偏見が背景にあることも多く、LGBT当事者の被害も耳にする。このカフェで佐々木さんのお話を聞き、正しい情報を得た上で一歩前に出ることで、共に生きる社会を作っていきたい、と思った。(山岡万里子)

◆講師プロフィールなど詳しくはNFSJのウェブサイトをご参照ください。
http://notforsalejapan.org/news/201903/479

◆グッド・エイジング・エールズのウェブサイトはこちら。
https://goodagingyells.net/