Vol.4 「平和なダイヤモンドを目指して~シエラレオネのお話」

(第11回NFSJカフェ 2018年5月18日 武蔵野プレイスにて実施)
ゲスト講師:ジョゼフ・スミスさん(ロータリー平和フェロー(当時))

2018年5⽉18⽇、ICU⼤学院に留学中のロータリー平和フェロー、ジョゼフ・スミスさんが、NFSJカフェで「平和なダイヤモンドを目指して~シエラレオネのお話」というタイトルでお話をしてくださった。

スミスさんはまず、⻄アフリカのシエラレオネという国の歴史を簡単に説明した。1990年代の10年にわたる内戦とエボラ出⾎熱*などの感染症の発⽣により、世界で最も寿命が短い国の⼀つ(2016年5⽉20⽇の国勢調査による)だという。(*WHOは2016年にエボラ出⾎熱の感染終息を宣⾔している)。

歴史の説明の中では、鉱物資源がいかに激しい紛争や搾取、⼈身売買を引き起こしたかを正確に描くものとして、内戦時代を舞台にした映画『ブラッド・ダイヤモンド』が挙げられた。スミスさんも来⽇前、鉱⼭労働者の労働条件や⼈権を守るために闘っていた。

鉱業分野で行われる虐待については、労働者の安全や福祉、あるいはよりシンプルに人間的な思いやりよりも、金銭欲が優先している、と明確に説明。残忍なシステムなのだ。しかしこの国も10年前に⺠主化され、ダイヤモンドを含む豊富な鉱物資源を活⽤した復興が進んでいることから、状況は改善されている。2018年、シエラレオネは⼤統領選挙と議会選挙を実施し、一つの政党から別の政党への平和的な政権移譲が⾏われ、⺠主化への取り組みがさらに強固になったという。

スミスさんは現在、「鉱業と環境を考えるアフリカ青年の会」(Africa Youths on Mining and Environment)の創設者兼エグゼクティブ・ディレクターを務めている。また、「Independent Social Performance」の⻄アフリカコーディネーターも務めている。(キャシー・バートンルイス)